伊納駅(函館本線) ~通学客で賑わった駅も今は昔~
旭川駅から函館本線を札幌方面に2駅目、上川盆地を流れてきた石狩川が山地を突き抜けて石狩平野へ抜ける、その入口といえそうな場所に伊納駅がある。そんな場所だけに旭川市街近郊にありながら過疎化が進んだうえ、最寄りにあった旭川北都商業高校が平成23年(2011)に廃校となったことで利用客が激減、JR北海道が平成28年(2016年)に公表した資料では、乗車人員1日平均1名以下、「極端にご利用の少ない駅」とされ、そして終に今年(2021)3月のダイヤ改正に伴い廃止に。旭川市街の石狩川堤防から神居古潭にかけ、旧線を再利用してサイクリングロードが整備されており、私は子供の頃に自転車で何度も往来した。その中間地点に伊納駅があり、かつて駅前には商店があって、飲み物やお菓子を買い休憩場所として利用した記憶が残っている。
伊納駅の歴史は古く、明治31年(1898)北海道官設鉄道上川線の空知太駅~旭川駅間開通に伴い伊納信号停車場として開業、同33年(1900)旅客扱いを開始し一般駅となる。昭和44年(1969)伊納駅~納内駅間にトンネルが開通、同区間の函館本線が新線に付け替えられ、構内の線路とホームが移転したことに伴って無人化。昭和60年(1985)木造駅舎が解体され、現駅舎の貨車駅舎に改築、今年(2021)3月13日廃止された。旭川市江丹別町春日に所在、近隣には昭和48年(1973)に廃校した春日小学校舎を転用する”旭川市春日青少年の家”と数軒の農家とがあるぐらい。駅名の由来は近郊の地名から。”いのう”という地名の由来については、アイヌ語の「イルオナイ(それ=熊・の足跡・多い・沢)が転訛したもの、イヌンオペッ(漁期の仮小屋・ある・川)など諸説あり。

昭和57年(1982)8月に撮影した伊納駅。当時は伊納と台場を繋ぐ伊納大橋が無く、この辺りは石狩川に隔たれた陸の孤島感があり、サイクリングロードを利用する人にとっては貴重な休憩場所だった。

既に無人駅となって10年以上が経過していたが、立派な木造駅舎を残していた。

旧伊納駅構内側。昭和44年(1969)伊納駅~納内駅間の線路が付け替えられたことにより、駅舎に隣接する線路跡がサイクリングロードになっている。駅前左手の建物が唯一あった商店、懐かしい。

駅舎側面に4連の窓を設け出入口の柱に赤色の郵便ポストらしきものが付けられている。

上写真から約40年後、廃止直前の伊納駅。写真手前辺りが旧駅舎跡で、現駅舎は20m程線路寄りに設けられている。

昭和60年(1985)木造駅舎が撤去され、この貨車駅舎に置き換えられた。改築当初は乗降客が多くおり2両分あった。

約36年にかけて風雪に耐えてきたため、老朽化が目立つ。

がらんとした駅舎内だが、かつてはストーブが設置されていたのだろう、天井に排煙口が残っている。

駅舎内出入口側。

真新しい何かの装置のボックス上に駅ノート。ボックスの中には勇知駅で見たレインビュータがあるのだろうか。

発車時刻表。1日に上り深川・札幌方面10本、下り旭川方面9本の普通列車が発着。

伊納駅営業終了のお知らせ。

駅舎ホーム側。

老朽化が目立つ構内跨線橋。木造駅舎時代から使われてきたものだろう。

塗装が薄くなりつつある駅名標。

この駅は間もなく役目を終える。

ホームより深川・札幌方面。

貨物列車が通過。

構内跨線橋より深川・札幌方面。

構内跨線橋より旭川方面。

構内跨線橋より駅舎。

駅舎と駅前の様子。かつて駅前左手にあった商店は民家の敷地になっており、悲しいかな痕跡を残していない。

長く厳しい北国の冬を乗り越えてきたが、春を迎えることなくこの駅は消えてゆく。

伊納駅全景。

旧駅舎跡と駅前通りを望み。
撮影日:2021年3月9日(火)
伊納駅の歴史は古く、明治31年(1898)北海道官設鉄道上川線の空知太駅~旭川駅間開通に伴い伊納信号停車場として開業、同33年(1900)旅客扱いを開始し一般駅となる。昭和44年(1969)伊納駅~納内駅間にトンネルが開通、同区間の函館本線が新線に付け替えられ、構内の線路とホームが移転したことに伴って無人化。昭和60年(1985)木造駅舎が解体され、現駅舎の貨車駅舎に改築、今年(2021)3月13日廃止された。旭川市江丹別町春日に所在、近隣には昭和48年(1973)に廃校した春日小学校舎を転用する”旭川市春日青少年の家”と数軒の農家とがあるぐらい。駅名の由来は近郊の地名から。”いのう”という地名の由来については、アイヌ語の「イルオナイ(それ=熊・の足跡・多い・沢)が転訛したもの、イヌンオペッ(漁期の仮小屋・ある・川)など諸説あり。

昭和57年(1982)8月に撮影した伊納駅。当時は伊納と台場を繋ぐ伊納大橋が無く、この辺りは石狩川に隔たれた陸の孤島感があり、サイクリングロードを利用する人にとっては貴重な休憩場所だった。

既に無人駅となって10年以上が経過していたが、立派な木造駅舎を残していた。

旧伊納駅構内側。昭和44年(1969)伊納駅~納内駅間の線路が付け替えられたことにより、駅舎に隣接する線路跡がサイクリングロードになっている。駅前左手の建物が唯一あった商店、懐かしい。

駅舎側面に4連の窓を設け出入口の柱に赤色の郵便ポストらしきものが付けられている。

上写真から約40年後、廃止直前の伊納駅。写真手前辺りが旧駅舎跡で、現駅舎は20m程線路寄りに設けられている。

昭和60年(1985)木造駅舎が撤去され、この貨車駅舎に置き換えられた。改築当初は乗降客が多くおり2両分あった。

約36年にかけて風雪に耐えてきたため、老朽化が目立つ。

がらんとした駅舎内だが、かつてはストーブが設置されていたのだろう、天井に排煙口が残っている。

駅舎内出入口側。

真新しい何かの装置のボックス上に駅ノート。ボックスの中には勇知駅で見たレインビュータがあるのだろうか。

発車時刻表。1日に上り深川・札幌方面10本、下り旭川方面9本の普通列車が発着。

伊納駅営業終了のお知らせ。

駅舎ホーム側。

老朽化が目立つ構内跨線橋。木造駅舎時代から使われてきたものだろう。

塗装が薄くなりつつある駅名標。

この駅は間もなく役目を終える。

ホームより深川・札幌方面。

貨物列車が通過。

構内跨線橋より深川・札幌方面。

構内跨線橋より旭川方面。

構内跨線橋より駅舎。

駅舎と駅前の様子。かつて駅前左手にあった商店は民家の敷地になっており、悲しいかな痕跡を残していない。

長く厳しい北国の冬を乗り越えてきたが、春を迎えることなくこの駅は消えてゆく。

伊納駅全景。

旧駅舎跡と駅前通りを望み。
撮影日:2021年3月9日(火)

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