函館山旧登山道
函館山は日清戦争後の明治31年(1898年)、ロシアを仮想敵国として津軽海峡や函館港の防衛を目的に要塞化の建設がはじめられ、明治35年(1902年)に完成。その2年後に日露戦争が開戦する。以来、約50年に渡って軍の要塞地となり、一般人の入山はもちろんのこと、写真撮影やスケッチも厳しく禁止され、地形図からも消された。第二次世界大戦終戦後の昭和21年(1946年)、要塞は解体され一般人に入山を開放、昭和28年(1953年)函館山の山頂に展望台が設置され、その5年後に函館山ロープウェイが開業した。現在の登山道路は昭和25年(1950年)起工、山頂まで開通したのは昭和29年(1954年)で、展望台設置の翌年のことである。
元町方面から函館山へ登るルートは2つ。前述の登山道路と旧登山道と呼ばれる道である。函館山麓の元町辺りを散策しているときには、特に案内板や道標を見つけられず、旧登山道の存在に気付くことは無かったが、頂上にあるつつじ山駐車場に行ってみたところ、旧登山道の入口を発見。駐車場に設置される函館山散策コース案内図を見てみると、函館山には元町方面からの旧登山道をはじめ、南側の立待岬方面と北側の船見町方面からの登山道があり、つつじ山・千畳敷・汐見山・地蔵山・観音コース等、多くの散策路があることがわかった。これらの散策路は要塞当時に使われていた軍用道路を整備したもので、山中では砲台跡や観測所等の遺構を見ることができる。

左写真は明治20年代の函館山(函館市設置の解説板より)。要塞化される前の姿である。山麓に山林の一帯があるが、山腹から山頂にかけては山肌が見えており、”はげ山”だったことがわかる。江戸期から燃料や建築資材に用いるため山林を伐り尽くしてしまったことが原因のよう。右写真は今回撮影した現在の函館山、偶然にもほぼ同じアングルだったことに少々驚いた。比較してみると昔は山頂が尖っていたが、現在は展望台があって丸みを帯びた感じ。山頂から麓にかけて木々が鬱蒼と生い茂っている。


函館夕景。17時過ぎなのだが、6月だけあって空はまだ明るい。あと2時間も待てば綺麗な夜景を見ることができるだろう。山頂を巡って暇つぶしするか。

函館山展望台より谷地頭・立待岬方面を望む。

函館山展望台。函館山は13ある山の総称で、最高峰の御殿山(334m)に展望台が設置される。

頂上には展望台の他、NHKや北海道民法各社のテレビ送信所がある。

函館山の碑。記念撮影のスポット。

展望台からつつじ山駐車場へ行ってみよう。

つつじ山駐車場へ向かう途中にある古そうな石仏群。北海道にあっては珍しい光景。

つつじ山駐車場。17時~22時まで自家用車は交通規制で入山できないため1台の駐車もない。

そして、駐車場で発見した旧登山道入口。ロープウェイの乗車券、往復で買ってるし…。何て迷っているうちに日が暮れてしまう。行こう!

旧登山道入口辺りは七合目らしい。

あっという間に六合目へ。

六合目より山頂を望む。

よく整備された旧登山道。非常に歩きやすい。

五合目。ここから立待岬方面へ至る千畳敷コースが分岐。

地面をぴょんぴょん飛び跳ねる見慣れぬ鳥がいた。何だろうと調べてみたらクロツグミ。函館山では5月中旬から7月中旬にかけて観察できる野鳥だという。

四合目付近。薬師山へ至る薬師山コースが分岐する。

四合目と三合目の中間にある野鳥観察小屋。

三合目付近にある御殿山溶岩。函館山は約100万年前の火山活動で隆起した火山なのだ。とは言っても今は死火山の部類で、この山が噴火していたなんて到底信じられない。

二合目付近。つづら折れに旧登山道を降る。

スギ林と旧登山道。元来、北海道にスギは自生しておらず、函館山に見られるスギは主に文化5年(1808年)から7年かけて植樹されたもの。その後も度々苗木が植えられたという。

一合目の手前で函館山登山道路と交差。旧街道の峠越えでよく見る光景だ。

一合目。旧山道入口の標識が立つ。

一合目と旧登山道口の中間にある異様な物体。函館要塞当時の貯水槽だという。

山林を抜けて。

旧登山道口付近にある青函連絡船海難者殉難碑。昭和63年(1988年)青函トンネルの開通に伴い廃止された青函連絡船、80年の長きに渡って本州と北海道を結んだ鉄道連絡船だが、戦時の空爆や台風等によって多くの船が沈没し、尊い命の犠牲も伴った。それにしても青函連絡船廃止から24年もの年月が流れたのか…。

函館山管理事務所ふれあいセンター。旧登山道入口にある。

ふれあいセンター入口で旧登山道の入口ともなる場所。護国神社やロープウェイ乗り場辺りを散策していても、この存在に気付くことはなかった。そもそも函館山を歩いて登ろうなんて奇特な観光客はそういないからだろう。

再び函館山ロープウェイ山麓駅へ。

山頂へ向かうゴンドラ。

南部坂より函館市街へ戻ろう。

函館市電十字街停留所と函館山。

赤レンガ倉庫群と函館山。頂上では100万ドルの夜景が綺麗に見えていることだろう。

函館ベイエリア夜景。ライトアップされた赤レンガの建物に異国情緒が漂う。

函館ベイエリア夜景。一人で来るところじゃないね…。

往復乗車券を買ったにも係らず、夜景も見ずに函館山を徒歩で降りてやったぜぇ。しまちゃん、ワイルドだろぉ~?
撮影日:2012年6月13日(水)
元町方面から函館山へ登るルートは2つ。前述の登山道路と旧登山道と呼ばれる道である。函館山麓の元町辺りを散策しているときには、特に案内板や道標を見つけられず、旧登山道の存在に気付くことは無かったが、頂上にあるつつじ山駐車場に行ってみたところ、旧登山道の入口を発見。駐車場に設置される函館山散策コース案内図を見てみると、函館山には元町方面からの旧登山道をはじめ、南側の立待岬方面と北側の船見町方面からの登山道があり、つつじ山・千畳敷・汐見山・地蔵山・観音コース等、多くの散策路があることがわかった。これらの散策路は要塞当時に使われていた軍用道路を整備したもので、山中では砲台跡や観測所等の遺構を見ることができる。


左写真は明治20年代の函館山(函館市設置の解説板より)。要塞化される前の姿である。山麓に山林の一帯があるが、山腹から山頂にかけては山肌が見えており、”はげ山”だったことがわかる。江戸期から燃料や建築資材に用いるため山林を伐り尽くしてしまったことが原因のよう。右写真は今回撮影した現在の函館山、偶然にもほぼ同じアングルだったことに少々驚いた。比較してみると昔は山頂が尖っていたが、現在は展望台があって丸みを帯びた感じ。山頂から麓にかけて木々が鬱蒼と生い茂っている。


函館夕景。17時過ぎなのだが、6月だけあって空はまだ明るい。あと2時間も待てば綺麗な夜景を見ることができるだろう。山頂を巡って暇つぶしするか。

函館山展望台より谷地頭・立待岬方面を望む。

函館山展望台。函館山は13ある山の総称で、最高峰の御殿山(334m)に展望台が設置される。

頂上には展望台の他、NHKや北海道民法各社のテレビ送信所がある。

函館山の碑。記念撮影のスポット。

展望台からつつじ山駐車場へ行ってみよう。

つつじ山駐車場へ向かう途中にある古そうな石仏群。北海道にあっては珍しい光景。

つつじ山駐車場。17時~22時まで自家用車は交通規制で入山できないため1台の駐車もない。

そして、駐車場で発見した旧登山道入口。ロープウェイの乗車券、往復で買ってるし…。何て迷っているうちに日が暮れてしまう。行こう!

旧登山道入口辺りは七合目らしい。

あっという間に六合目へ。

六合目より山頂を望む。

よく整備された旧登山道。非常に歩きやすい。

五合目。ここから立待岬方面へ至る千畳敷コースが分岐。

地面をぴょんぴょん飛び跳ねる見慣れぬ鳥がいた。何だろうと調べてみたらクロツグミ。函館山では5月中旬から7月中旬にかけて観察できる野鳥だという。

四合目付近。薬師山へ至る薬師山コースが分岐する。

四合目と三合目の中間にある野鳥観察小屋。

三合目付近にある御殿山溶岩。函館山は約100万年前の火山活動で隆起した火山なのだ。とは言っても今は死火山の部類で、この山が噴火していたなんて到底信じられない。

二合目付近。つづら折れに旧登山道を降る。

スギ林と旧登山道。元来、北海道にスギは自生しておらず、函館山に見られるスギは主に文化5年(1808年)から7年かけて植樹されたもの。その後も度々苗木が植えられたという。

一合目の手前で函館山登山道路と交差。旧街道の峠越えでよく見る光景だ。

一合目。旧山道入口の標識が立つ。

一合目と旧登山道口の中間にある異様な物体。函館要塞当時の貯水槽だという。

山林を抜けて。

旧登山道口付近にある青函連絡船海難者殉難碑。昭和63年(1988年)青函トンネルの開通に伴い廃止された青函連絡船、80年の長きに渡って本州と北海道を結んだ鉄道連絡船だが、戦時の空爆や台風等によって多くの船が沈没し、尊い命の犠牲も伴った。それにしても青函連絡船廃止から24年もの年月が流れたのか…。

函館山管理事務所ふれあいセンター。旧登山道入口にある。

ふれあいセンター入口で旧登山道の入口ともなる場所。護国神社やロープウェイ乗り場辺りを散策していても、この存在に気付くことはなかった。そもそも函館山を歩いて登ろうなんて奇特な観光客はそういないからだろう。

再び函館山ロープウェイ山麓駅へ。

山頂へ向かうゴンドラ。

南部坂より函館市街へ戻ろう。

函館市電十字街停留所と函館山。

赤レンガ倉庫群と函館山。頂上では100万ドルの夜景が綺麗に見えていることだろう。

函館ベイエリア夜景。ライトアップされた赤レンガの建物に異国情緒が漂う。

函館ベイエリア夜景。一人で来るところじゃないね…。

往復乗車券を買ったにも係らず、夜景も見ずに函館山を徒歩で降りてやったぜぇ。しまちゃん、ワイルドだろぉ~?
撮影日:2012年6月13日(水)

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