将軍山駅(石北本線) ~蝦夷地開拓に心血を注いだ永山武四郎ゆかりの地~
北海道に生まれ育った人なら誰もがその名を一度は耳にしたことがあるだろう永山武四郎。江戸時代後期の天保8年(1837)鹿児島藩士永山盛広の四男として生を受け、後に鹿児島藩士永山喜八郎の養子となった。戊辰戦争(1868~69)に従軍、維新後は陸軍大尉を任せられるなどの出世を果たし、明治5年(1872)北海道の開拓使に移り屯田兵の創設に尽力する。明治10年(1877)西郷隆盛を盟主として薩摩藩士が反乱を起こす西南戦争が勃発、武四郎は屯田兵を率いて明治政府軍に従軍した。敵対する相手が尊敬する大先輩や同士だけに、相当に苦渋の思いがあったことだろう。後に2代目の北海道庁長官を務め、北海道の開発に多大な功績を残した。
旭川駅から上川・網走方面の石北本線に乗車して8駅目にあるのが将軍山駅、旭川市の隣町、当麻町の北星2区に所在する。駅名の由来は近郊にある山名にあり、永山武四郎が開拓のため当地へ視察に入った際、アイヌ人の案内でこの山を登ったとされ、後に将軍山と名付けたと伝わる。駅周辺は勇ましい駅名に反して田畑が広がる農村地帯で、1面1線のホームと待合所を設けるだけの典型的な無人駅がポツンと佇む。開業は昭和35年(1960)、旅客のみを取扱う仮乗降場として設置されてから51年後の今年(2021)、利用者減少から3月のダイヤ改正に伴い廃止された。

昭和57年(1982)撮影の将軍山仮乗降場。駅名にある”将”の字が旧字体だった。駅名標の下に発車時刻表があり、1日に旭川方面4本、上川方面6本の普通列車が発着していたことがわかる。

農村地帯にぽつんとした佇まいをみせる将軍山駅。

9条道路踏切より待合所と乗降ホームを望み。

コンクリートブロック建ての待合所。

待合所横には簡易式トイレを設置。

広々とした待合所内には周辺を取り囲むように木製ベンチとソファが設けられている。

立派なソファの上に掲示板。

掲示板には「将軍山駅営業終了のお知らせ」。

こちらは乗用車のシートらしきソファ。その上に発車時刻表があり隣の窓下にきっぷ運賃表。

1日に上り旭川方面6本、下り上川・網走方面4本の普通列車が発着。

きっぷ運賃表。旭川駅まで540円。

きっぷ運賃表下のベンチ上に駅ノートが置いてあるのかと思ったけど、秘境駅存続協議会が廃駅から秘境駅を守る活動をしていると書かれたプリントだった。

待合所内より出入口。

待合所の窓越しに乗降ホームを望んで。

待合所から乗降ホームへ続く通路。廃止直前だけに踏み跡が多く残っている。

乗降ホーム出入口には「将軍山」の看板。

上川方面の列車が入線。おそらく14:13発上川行が約1時間遅れで来たのだろう。

雪景色にある田舎の無人駅にキハ40形、いかにも北海道らしい鉄道風景だ。

ホームより上川・網走方面。

ホームより旭川方面。

まだ新しい駅名標。

上川方面乗車口。

上川方面乗車口より駅構内。

旭川方面乗車口。

旭川方面乗車口より待合所。

旭川方面乗車口よりホーム。

ホーム出入口にある将軍山の標識。

ホーム出入口より待合所。

廃止後にこの趣あるブロック造りの待合所はどんな運命を辿るのだろうか。

さようなら、そしてありがとう将軍山駅。
撮影日:2021年3月10日(水)
旭川駅から上川・網走方面の石北本線に乗車して8駅目にあるのが将軍山駅、旭川市の隣町、当麻町の北星2区に所在する。駅名の由来は近郊にある山名にあり、永山武四郎が開拓のため当地へ視察に入った際、アイヌ人の案内でこの山を登ったとされ、後に将軍山と名付けたと伝わる。駅周辺は勇ましい駅名に反して田畑が広がる農村地帯で、1面1線のホームと待合所を設けるだけの典型的な無人駅がポツンと佇む。開業は昭和35年(1960)、旅客のみを取扱う仮乗降場として設置されてから51年後の今年(2021)、利用者減少から3月のダイヤ改正に伴い廃止された。

昭和57年(1982)撮影の将軍山仮乗降場。駅名にある”将”の字が旧字体だった。駅名標の下に発車時刻表があり、1日に旭川方面4本、上川方面6本の普通列車が発着していたことがわかる。

農村地帯にぽつんとした佇まいをみせる将軍山駅。

9条道路踏切より待合所と乗降ホームを望み。

コンクリートブロック建ての待合所。

待合所横には簡易式トイレを設置。

広々とした待合所内には周辺を取り囲むように木製ベンチとソファが設けられている。

立派なソファの上に掲示板。

掲示板には「将軍山駅営業終了のお知らせ」。

こちらは乗用車のシートらしきソファ。その上に発車時刻表があり隣の窓下にきっぷ運賃表。

1日に上り旭川方面6本、下り上川・網走方面4本の普通列車が発着。

きっぷ運賃表。旭川駅まで540円。

きっぷ運賃表下のベンチ上に駅ノートが置いてあるのかと思ったけど、秘境駅存続協議会が廃駅から秘境駅を守る活動をしていると書かれたプリントだった。

待合所内より出入口。

待合所の窓越しに乗降ホームを望んで。

待合所から乗降ホームへ続く通路。廃止直前だけに踏み跡が多く残っている。

乗降ホーム出入口には「将軍山」の看板。

上川方面の列車が入線。おそらく14:13発上川行が約1時間遅れで来たのだろう。

雪景色にある田舎の無人駅にキハ40形、いかにも北海道らしい鉄道風景だ。

ホームより上川・網走方面。

ホームより旭川方面。

まだ新しい駅名標。

上川方面乗車口。

上川方面乗車口より駅構内。

旭川方面乗車口。

旭川方面乗車口より待合所。

旭川方面乗車口よりホーム。

ホーム出入口にある将軍山の標識。

ホーム出入口より待合所。

廃止後にこの趣あるブロック造りの待合所はどんな運命を辿るのだろうか。

さようなら、そしてありがとう将軍山駅。
撮影日:2021年3月10日(水)

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