かつての中馬・中牛の宿も、今は昔

旧中山道は沓掛宿を出ると国道18号を左斜めに離れる。双体道祖神を右に見ると、蛇行する道は起伏を繰り返しながら古宿集落へと入っていく。途中、右手には浅間山がきれいな姿を見せている。古宿は中馬、中牛の宿として賑わった集落で・・・ようは馬や牛による陸上運輸の中継地点になった場所だ。そのせいもあって、この辺りには馬頭観世音が多い。

川魚料理の「ゆうすげ」前で国道に合流すると、軽井沢バイパスの下を抜け次は借宿集落に入る。馬頭観世音が建つ変形四叉路から左へ曲がる道は女街道とも姫街道とも呼ばれる道で、「入鉄砲に出女」を厳しく取り締まる碓氷関所を避けた女人が、和美峠や入山峠を越えて上州に向かう裏街道であった。

遠近(おちこち)神社の向かいにある自販機で缶コーヒーを買い一服。街道情緒が残る借宿集落のなだらかな上り坂を歩く。集落西外れには大きな馬頭観世音碑が建ち、中馬で賑わった往時の様子を彷彿させてくれる。浅間山が描かれた大きな看板が目を惹く「追分そば茶家」前で再び国道に合流すると、追分一里塚が道の両脇にあり、その間をスピードにのった車がひっきりなしに行き交う。

これは日本橋から40里目の一里塚であるが、ガイドブックには36番目とある。距離からすると40里(約157km)が正しいのだが、数からすると36番目なのだろうか。なにせ江戸時代に造られたもの、ここまで来ると曖昧になってくる。そして一里塚の奥には喫茶店があり、その名もハーブカフェガーデン「一里塚」。旧道はここから国道を右斜めに離れ追分宿へと入っていく。
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