峠下駅(留萌本線) ~山間に木造駅舎を残す秘境駅~
幌糠駅を出て恵比島・深川方面に向かうと両側に山が迫りはじめ、やがて恵比島峠越えの留萌本線最大の難所に差し掛かる。その留萌側にあるのがその名に相応しい峠下駅。現在は駅前に人家がなく秘境駅の様相ながら古い木造駅舎を残す。かつては木材搬出でそこそこの賑わいがあったようで、駅裏手には大きな貯木場が設けられ、駅前に人家もあって小さいながらも市街を形成していたようだ。駅から西方向へ歩いて約1km(徒歩12分)の場所に峠下小学校があったが、平成元年(1989)に閉校となっている。
峠下駅は留萌市留萌村峠下に所在。明治43年(1910)留萠線の深川駅~留萠駅間が開通に伴い一般駅として開業、昭和52年(1977)貨物扱い廃止、同59年(1984)荷物扱い廃止と共に旅客扱いが廃止され、旅客業務の駅員を配置しない無人駅になった。現在も有人駅時代の木造駅舎を残し事務室は保線要員の詰め所として利用、待合室には切符販売窓口や荷物扱い窓口が残存する。千鳥式に配された相対式2面2線のホームを有し、留萌本線で唯一列車交換が可能な駅となっている。JR北海道の調査で利用客が乗車人員1日平均1名以下の「極端にご利用の少ない駅」とされ、今は乗降客がほとんどいない状況で、おそらく秘境駅マニアが乗降するぐらいなのだろう。駅名は所在地名から取ったもので、”峠”は石狩国と天塩国の国境にあった峠を指し、アイヌ語の「ルチシ・ポク(峠・下)」を意訳して地名が付けられたという。

空中写真データ:国土地理院 整理番号USA-R281-156を基に作成
昭和23年(1948)撮影、峠下駅周辺の空中写真。駅前を通る旧道沿いに建物が並び小さな市街を形成、駅裏手には大きな貯木場があり、西側の少々離れた所に峠下小学校が見える。現在の国道233号はまだ通されていない。

空中写真データ:国土地理院 整理番号CHO7718-C10-21を基に作成
昭和52年(1977)撮影、峠下駅周辺の空中写真。駅構造は現在と変わらず。駅周辺に建物が散在するが、裏手の貯木場は消失している。新道の国道233号が通され、峠下小学校も健在の様子だが過疎化が進行していたことをうかがう。

留萌本線が恵比島峠越えを控える山間、ほぼ無人地帯になった場所にある峠下駅。

駅周辺は日が落ちて闇夜を迎える中、窓から漏れる明かりが温かい。

待合室には立派な除雪機が。

掲示板に隠れて見えないが左側に切符販売窓口、右側に荷物扱い窓口が残存。窓口は板で塞がれている。

荷物扱い窓口の棚上に駅ノート。

荷物扱い窓口を塞ぐ板にきっぷ運賃表を掲示。

改札口。

改札口横の壁に発車時刻表。1日に上下7本の列車が発着。

今も公衆電話はあるのだろうか。

トイレも完備。

駅構内より留萌方面。

留萌方面の乗降ホームにある駅名標。”ひがしほろぬか”に”ほろぬか”を上貼りしているのだろう。

深川方面の乗降ホームより深川方面。雪が積もってわかりにくいが、写真手前が構内踏切。

深川方面の乗降ホームにある駅名標。

駅名標より深川方面。

間もなく16:42発の深川行と留萌行が到着しここで列車交換するが、旅客は一人も訪れない。

深川行列車が先に到着。

少し遅れて留萌行列車が到着。

深川行の発車を待って留萌行も発車。当然のように一人の乗降客もなく。

この記事の最後にGoogleマップのストリートビューで見る2014年8月の峠下小学校跡。校舎は消え失せ校門だけを残す。奥に見える白っぽい建物は旧教員住宅。往時にはここからどんな光景が見えていたのだろう。
訪問日:2021年12月30日(木)
峠下駅は留萌市留萌村峠下に所在。明治43年(1910)留萠線の深川駅~留萠駅間が開通に伴い一般駅として開業、昭和52年(1977)貨物扱い廃止、同59年(1984)荷物扱い廃止と共に旅客扱いが廃止され、旅客業務の駅員を配置しない無人駅になった。現在も有人駅時代の木造駅舎を残し事務室は保線要員の詰め所として利用、待合室には切符販売窓口や荷物扱い窓口が残存する。千鳥式に配された相対式2面2線のホームを有し、留萌本線で唯一列車交換が可能な駅となっている。JR北海道の調査で利用客が乗車人員1日平均1名以下の「極端にご利用の少ない駅」とされ、今は乗降客がほとんどいない状況で、おそらく秘境駅マニアが乗降するぐらいなのだろう。駅名は所在地名から取ったもので、”峠”は石狩国と天塩国の国境にあった峠を指し、アイヌ語の「ルチシ・ポク(峠・下)」を意訳して地名が付けられたという。

空中写真データ:国土地理院 整理番号USA-R281-156を基に作成
昭和23年(1948)撮影、峠下駅周辺の空中写真。駅前を通る旧道沿いに建物が並び小さな市街を形成、駅裏手には大きな貯木場があり、西側の少々離れた所に峠下小学校が見える。現在の国道233号はまだ通されていない。

空中写真データ:国土地理院 整理番号CHO7718-C10-21を基に作成
昭和52年(1977)撮影、峠下駅周辺の空中写真。駅構造は現在と変わらず。駅周辺に建物が散在するが、裏手の貯木場は消失している。新道の国道233号が通され、峠下小学校も健在の様子だが過疎化が進行していたことをうかがう。

留萌本線が恵比島峠越えを控える山間、ほぼ無人地帯になった場所にある峠下駅。

駅周辺は日が落ちて闇夜を迎える中、窓から漏れる明かりが温かい。

待合室には立派な除雪機が。

掲示板に隠れて見えないが左側に切符販売窓口、右側に荷物扱い窓口が残存。窓口は板で塞がれている。

荷物扱い窓口の棚上に駅ノート。

荷物扱い窓口を塞ぐ板にきっぷ運賃表を掲示。

改札口。

改札口横の壁に発車時刻表。1日に上下7本の列車が発着。

今も公衆電話はあるのだろうか。

トイレも完備。

駅構内より留萌方面。

留萌方面の乗降ホームにある駅名標。”ひがしほろぬか”に”ほろぬか”を上貼りしているのだろう。

深川方面の乗降ホームより深川方面。雪が積もってわかりにくいが、写真手前が構内踏切。

深川方面の乗降ホームにある駅名標。

駅名標より深川方面。

間もなく16:42発の深川行と留萌行が到着しここで列車交換するが、旅客は一人も訪れない。

深川行列車が先に到着。

少し遅れて留萌行列車が到着。

深川行の発車を待って留萌行も発車。当然のように一人の乗降客もなく。

この記事の最後にGoogleマップのストリートビューで見る2014年8月の峠下小学校跡。校舎は消え失せ校門だけを残す。奥に見える白っぽい建物は旧教員住宅。往時にはここからどんな光景が見えていたのだろう。
訪問日:2021年12月30日(木)

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