瑞穂駅(宗谷本線) ~駅名の由来に謎多き~
明治36年(1903)北海道官設鉄道天塩線(現 宗谷本線)士別駅~名寄駅間が延伸開通してから53年後の昭和31年(1956)、多寄駅~風連駅の間に瑞穂仮乗降場が新設された。開業当初は単式ホームを有するだけの簡素な仮乗降場だったと思われるが、昭和53年(1978)地元有志により待合所を設置。同62年(1987)国鉄分割民営化により経営がJR北海道へ移行したことに伴い瑞穂駅となって今に至っている。JR北海道の調査(H28~R2の5ヶ年平均)で乗車人員1日平均3名以下の「極端にご利用の少ない駅」とされながらも、一定の通学客利用かあるようで廃止対象から免れJRの管理において存続している。
瑞穂駅の所在地は士別市多寄町31線、士別市最北部の農村地帯にあり駅名にある”瑞穂”が近辺に全く見当たらない。フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』にある「瑞穂駅」によれば、駅名の由来は「当駅の所在する地区名(西瑞穂)より」とあり、瑞穂仮乗降所の新設当時に西瑞穂という地名が残っていたと思われる。士別市街から東へ約20km行った山間に瑞穂地区(現 士別市朝日町中央)があるのだが、瑞穂に西を冠して称するには随分と遠い。ちなみに瑞穂地区は明治末期に富山県から開拓者が入って越中獅子舞が伝えられ、昭和44年(1969)朝日町指定文化財(現 士別市無形文化財)となり、平成元年(1989)に「瑞穂獅子舞伝習館」が開館、踊り手が減り廃れつつある瑞穂獅子舞を伝承している。

空中写真データ:国土地理院 整理番号CHO7712-C18B-6を基に作成
昭和52年(1977)撮影、瑞穂仮乗降場周辺の空中写真。1面1線の単式ホームに待合所、今とさほど変わりはない。

花壇に色とりどりの花が咲き誇る瑞穂駅。

ここから見ると花壇には何かのメッセージのように”X”が見えた。エックスなのか、それともバツなのか…。

新しい感じの駅名標。駅名の由来となったとされる旧所在地名の西瑞穂、それならば駅名を西瑞穂とすべきと思うのだが、富良野線に”西瑞穂駅”があり、同駅名を避けるために瑞穂にしたのかとも思った。しかしこちらの方が開業が2年早い。ここの駅名由来は謎が多い…。

ホームより名寄方面。

ホームより旭川方面。

駅周辺一帯は田畑が広がる農村地帯。

車がある場所にはかつて自転車置き場が設けられていたようだ。

駅横を通る31線道路(国道40号方面)。

待合所へお邪魔しまーす。

ベンチ上に駅ノート。

冷暖房は無いが風雨を凌ぐには十分なスペース。真冬は相当にしばれそうだが…。

出入口を入って正面にきっぷ運賃表と発車時刻表を掲示。

1日に旭川・札幌方面4本、名寄・稚内方面4本の普通列車が発着。

運賃は名寄まで340円、旭川まで1680円。

ゴミ箱が設置されているのは珍しい。

待合所内より31線踏切。

待合所出入口横の外壁にあった標識。劣化が進んでいるが、昭和53年6月23日の日付が何とか読み取れる。

青ベースに白文字の駅名板。

最後に待合所よりホームを望んで。きちんと手入れされた素敵な花壇を見ると、地元の方に愛され守られていることをうかがう。駅は地域住民の交通の便を図ることはもちろんのこと、その土地の歴史を伝える役目も果たしているような気がする。
訪問日:2022年8月2日(火)
瑞穂駅の所在地は士別市多寄町31線、士別市最北部の農村地帯にあり駅名にある”瑞穂”が近辺に全く見当たらない。フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』にある「瑞穂駅」によれば、駅名の由来は「当駅の所在する地区名(西瑞穂)より」とあり、瑞穂仮乗降所の新設当時に西瑞穂という地名が残っていたと思われる。士別市街から東へ約20km行った山間に瑞穂地区(現 士別市朝日町中央)があるのだが、瑞穂に西を冠して称するには随分と遠い。ちなみに瑞穂地区は明治末期に富山県から開拓者が入って越中獅子舞が伝えられ、昭和44年(1969)朝日町指定文化財(現 士別市無形文化財)となり、平成元年(1989)に「瑞穂獅子舞伝習館」が開館、踊り手が減り廃れつつある瑞穂獅子舞を伝承している。

空中写真データ:国土地理院 整理番号CHO7712-C18B-6を基に作成
昭和52年(1977)撮影、瑞穂仮乗降場周辺の空中写真。1面1線の単式ホームに待合所、今とさほど変わりはない。

花壇に色とりどりの花が咲き誇る瑞穂駅。

ここから見ると花壇には何かのメッセージのように”X”が見えた。エックスなのか、それともバツなのか…。

新しい感じの駅名標。駅名の由来となったとされる旧所在地名の西瑞穂、それならば駅名を西瑞穂とすべきと思うのだが、富良野線に”西瑞穂駅”があり、同駅名を避けるために瑞穂にしたのかとも思った。しかしこちらの方が開業が2年早い。ここの駅名由来は謎が多い…。

ホームより名寄方面。

ホームより旭川方面。

駅周辺一帯は田畑が広がる農村地帯。

車がある場所にはかつて自転車置き場が設けられていたようだ。

駅横を通る31線道路(国道40号方面)。

待合所へお邪魔しまーす。

ベンチ上に駅ノート。

冷暖房は無いが風雨を凌ぐには十分なスペース。真冬は相当にしばれそうだが…。

出入口を入って正面にきっぷ運賃表と発車時刻表を掲示。

1日に旭川・札幌方面4本、名寄・稚内方面4本の普通列車が発着。

運賃は名寄まで340円、旭川まで1680円。

ゴミ箱が設置されているのは珍しい。

待合所内より31線踏切。

待合所出入口横の外壁にあった標識。劣化が進んでいるが、昭和53年6月23日の日付が何とか読み取れる。

青ベースに白文字の駅名板。

最後に待合所よりホームを望んで。きちんと手入れされた素敵な花壇を見ると、地元の方に愛され守られていることをうかがう。駅は地域住民の交通の便を図ることはもちろんのこと、その土地の歴史を伝える役目も果たしているような気がする。
訪問日:2022年8月2日(火)

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