時の鐘っ!

【2012年12月22日(土)川越街道 大井宿→川越城下】
江戸時代に川越城の城下町として発展した川越。幕府は江戸の北の守りとして重要視し、藩成立時から幕末まで酒井家・堀田家・大河内松平家・柳沢家・秋元家・越前松平家・松井松平家といった譜代・親藩の有力大名を配置した。川越藩主が松平信綱の時、川越城は5郭・3櫓・8門を新造する大改築がなされ、今に残る縄張りが完成。同時期に城下の整備も行われ、武家地・社寺地・町人地等が地割されると共に、十ヵ町四門前町の町割りもこの時に行われた。更に信綱は新河岸川の舟運を起こし、江戸と川越の物流が盛んになるにつれ、川越は江戸に劣らぬ活気を呈すようになった。小江戸と称された所以である。

川越と言えば蔵造りの町並みが有名だ。しかし、札の辻交差点から仲町交差点にかけての通り(南町通り)沿いに建ち並ぶ蔵造りの町並みは江戸時代のものではない。明治26年(1893年)3月、養寿院門前の北横町より出火した火事は、たちまち燃え広がって中心部の17町を焼き尽くし、城下北端の喜多町や東端の小仙波町まで飛び火した。世に言う川越大火である。川越のシンボル的存在となっている時の鐘もこの時に焼失。この大火を教訓に耐火建築の蔵造りに建て直されたのが、今に見る蔵造りの町並みなのである。川越街道は南から城下に入って北上し、蔵造りの商家が並ぶ南町通りの東側を通って、旧江戸町の大手門まで延びていた。途中には2ヶ所の鉤の手に曲げられたクランク状の道が設けられ、その道筋は現在も見ることができる。見通しを悪くすることで敵の侵入を妨ぐ工夫で、城下町にはよく見られる。

川越街道 川越城下


埼玉県道39号 菅原町
烏頭坂上の新宿町(北)交差点から埼玉県道39号へ。富士見町・菅原町を行く。


菅原神社
菅原町の由来であろう菅原神社。祭神に祀るのはもちろん菅原道真公。寛永元年(1624年)尊能法師が妙善寺開山の折、寺領に天神社を建立。大正2年(1913年)稲荷神社が合祀されて菅原神社に改称したという。平成21年(2009年)放火により社殿を焼失、その翌年に再建された。


六塚稲荷神社
産業の神様、六塚稲荷神社。菅原神社社殿裏手に鎮座する。こちらは放火の被害を免れたようだ。


埼玉県道39号 三番町交差点
菅原町と南通町の境、三番町交差点。


川越八幡宮
南通町にある川越八幡宮。長元元年(1028年)平忠常が朝廷に対して起こした反乱、長元の乱(平忠常の乱)の鎮圧で武勲を立てた源頼信が、反乱を平定できた神威に深く感謝し創祀したのが始まりと伝わる。室町期には太田道灌が、戦国期から江戸期にかけては川越城の歴代城主が篤く崇敬した。


川越八幡宮境内にて
川越八幡宮の境内にて。地元小中高生作製の大絵馬が並ぶ。完成度の高さに少々驚き、見事なもんだ。


埼玉県道39号 通町
南通町から通町へ。街道沿いに古い建物がちらほらと見えはじめる。


埼玉県道39号 通町
通町と松江町の境、通町交差点。


松江町の鉤の手
松江町には連続する鉤の手の道が残る。車道とするために拡幅されたのだろう、緩やかなS字カーブを描いてしまっている。


埼玉県道39号 松江町
鉤の手の先、川越城大手門へ向かって延びる街道。


いちのや
松江町交差点角、天保3年(1832年)創業という鰻の老舗、”いちのや”がある。いかにも老舗らしい佇まい。こんなところで鰻を存分に堪能してみたいなあ…。


埼玉県道39号 松江町
日が暮れ始めた。鰻に後ろ髪をひかれつつ、先を急ごう。松江町の埼玉県道39号(旧川越街道)を北へ。


埼玉県道39号 松江町
松江町を行く埼玉県道39号(旧川越街道)。


埼玉県道39号 松江町05
意外に見応えある町並みが続く松江町。


埼玉県道39号 松江町06
松江町と大手町の境、ここにも連続する鉤の手の道が設けられている。


大手町の鉤の手
大手町に残る鉤の手の道。現在はショートカットする車道が通されている。ここが旧江戸町にあたり、川越街道の起点となった場所。ここにある東洋堂で”いもせんべい”を購入し、川越街道踏破の記念に。

東洋堂
http://www.imosenbei.com/


旧江戸町の石標
旧江戸町の石標。川越街道踏破だっ!石標の頭を撫でながら余韻に浸り。


川越時の鐘
そして旧江戸町から時の鐘へ。


川越時の鐘
時の鐘は寛永年間に当時の川越藩主酒井忠勝によって建立されたのが始まりとされる。現在の鐘楼は明治26年(1893年)川越大火の翌年に再建されたもので4代目。何度も再建されながら約400年に渡って川越に時を告げてきた。昔は鐘撞き守がいたが、今は機械仕掛けで1日4回の鐘が撞かれる。


蔵造り町並み
蔵造りの町並みを歩いて。


蔵造り町並み
川越蔵造り町並み。


旧山吉デパートとイルミネーション
旧山吉デパート(現 山吉ビル)とイルミネーションのアーチ。ルネッサンス様式を基調とした昭和初期の建物と近代的なイルミネーションが相まって独特の雰囲気を醸し出す。クリスマス時期限定の光景。


川越市幸町にて
おぉ、アーチの奥にはブルーに光輝くツリーが!


川越市幸町にて
実はこのイルミネーション、ペットボトルで作られてるんです。


仲町交差点
蔵造りの町並みは札の辻交差点からはじまり、ここ仲町交差点で終わる。この先、更に南へ向かって道が延びるが、この道は昭和8年(1933年)になって敷設された新道。仲町交差点は元々丁字路だった。

本日の歩き旅はここで終わり。川越街道は踏破した。しかし、川越まで来て蔵造りの町並みと時の鐘だけで満足していては、木を見て森を見ず。そもそも川越は川越城の城下町として、喜多院の門前町として発展してきた町である。後日、再訪を期してJR川越駅へ向かう。


【川越街道歩き 第4日目】
ふじみ野駅→大井宿→川越城下江戸町→JR川越駅 歩行距離約15km
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高札場
【川越街道 旅の報告】
2013年1月13日(日)
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川越時の鐘
【成田街道 旅の報告】
2012年7月8日(日)
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約5ヶ月の月日をかけて、成田山新勝寺・寺台宿に到着しました!
新勝寺大本堂と三重塔
【会津西街道街道 旅の報告】 2012年1月22日(水)
下野国今市宿を発ってから…
約1年6ヶ月の月日をかけて、
会津鶴ヶ城に到着しました!
鶴ヶ城
【 水戸街道 旅の報告 】 2010年5月5日(水)
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約3ヶ月の月日をかけて、
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【 日光街道 旅の報告 】 2010年1月10日(日)
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8ヶ月の月日をかけて、
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