函館山散策路 七曲り・地蔵山・千畳敷コース 

旧東海道歩きの記事はひと休み。記憶が薄れる前に、今年8月初旬に北海道へ行った時の記事をいくつか書き残したい。まずは函館山から。世界三大夜景の一つ、函館夜景の展望地として知られる函館山は、最高峰の御殿山(標高334m)をはじめとする13の山々の総称で、函館山ロープウェイの山頂駅と函館山展望台は御殿山山頂にある。以前に御殿山から旧登山道コースを下山して記事に書いたが、今回は立待岬から地蔵山を登り、函館山を縦断して山頂駅に至るルート、七曲り・地蔵山・千畳敷コースを選んで歩いた。その道中には津軽要塞(旧函館要塞)の軍事施設が残存しており、函館山における戦時の緊迫した様子を肌身に感じられる。

津軽要塞の前身となる函館要塞は、函館湾の守備を目的として明治31年(1898年)に建設がはじまり、日露戦争勃発直前の明治35年(1902年)に完成。御殿山や薬師山、千畳敷に砲台をはじめとする軍事施設を設け、函館山は要塞地帯となり、以来一般人の入山は禁しく制限された。昭和2年(1927年)津軽海峡を守備するため、新たに建設された汐首岬砲台と青森県側の竜飛崎砲台・大間崎砲台を総称して津軽要塞と名を変え、第二次世界大戦時には敵艦の襲来に備えたが、戦闘機相手の実戦では役に立たず、函館は空襲で甚大な被害を受けてしまう。昭和20年(1945年)第二次世界大戦が終結すると、津軽要塞は米軍によって解体、翌年に一般市民に再び開放されることになる。そんな隠れた歴史を秘めた函館山は、今や国内外から多くの観光客が訪れる北海道を代表する観光地。夜景だけがスポットライトを浴びるが、津軽要塞の遺構も「函館山と砲台跡」の名称で北海道遺産に指定される隠れた戦争遺跡である。もし函館山を訪れる機会があれば、目を向けてみてはいかがだろうか。


より大きな地図で 函館山散策路 七曲り・地蔵山・千畳敷コース を表示


JR函館駅
JR函館駅に降り立ち。


摩周丸
JR函館駅裏手に係留する青函連絡船の摩周丸。青函トンネルが開通するまで、青森駅と函館駅間の列車や乗客を乗せて津軽海峡を渡っていた。青函連絡船が廃止されたのは昭和63年(1988年)、石川さゆりが歌う名曲「津軽海峡冬景色」の歌詞にある連絡船のことを、今じゃ知らない人も多いんだろうなあ。

私もひとり~ 連絡船に乗り~♪


函館山
摩周丸横の広場から函館山を望み。


イカ釣り漁船と函館山
イカ釣り漁船のバックに函館山。は~るばる来たぜ、函館へ~♪鼻歌交じりに歩きたくなる風景だ。


函館市電 市役所前停留所
市役所前停留所から函館市電に乗車し、谷地頭へ向かう。


函館市電 谷地頭停留所
谷地頭停留所に到着。


函館市電 谷地頭停留所
谷地頭停留所から函館山の一部、地蔵山を望む。ここからは徒歩で立待岬へ。


石川啄木一族の墓
立待岬へ向かう途中に石川啄木一族の墓。津軽海峡と函館市街を一望する景勝地にある。


石川啄木一族の墓
東海の 小島の磯の 白砂に われ泣きぬれて 蟹とたはむる

石川啄木の第一歌集「一握り砂」に卷頭を飾る有名な短歌。墓石にはこの短歌を刻んだ歌碑を埋め込む。


立待岬
函館山南端麓の立待岬へ。


名物つぶ貝
立待岬にある売店”はまなす”で名物”つぶ貝”をおやつに。噛んだ時の磯の香りがたまらん。美味い。


立待岬
立待岬より函館山を望む。津軽海峡側の函館山山麓は人が立ち入れぬ断崖絶壁と海。


津軽海峡
津軽海峡の向こうに下北半島を望む。


立待岬
「角川日本地名大辞典」によると、立待岬はアイヌ語でピウシ(岩上で魚を待ちヤスで捕る処の意)と呼ばれた地で、これが和名に訳されて付けられた地名だという。


函館山七曲りコース入口
立待岬を後にし、七曲りコース入口から登山道へ。


函館山七曲りコース
急斜面をつづら折れに登る七曲りコース。


函館山七曲りコース
登山道の途中には苔生す石積みが見られる。津軽要塞の遺構だろうか。


地蔵山見晴所
地蔵山見晴所からの眺め。鞍掛山の山頂と津軽海峡、遠くに亀田半島が望める。


地蔵山見晴所
地蔵山見晴所から地蔵山山頂・千畳敷に向けて地蔵山コースに入る。


函館山地蔵山コース
地蔵山コースに入ってからはなだらかな登山道。


函館山無線中継所
函館山無線中継所の横を通り抜けて。


地蔵山の開発局電波塔
地蔵山山頂にある開発局電波塔。


地蔵山のNTT電波塔
開発局電波塔に隣接してそびえ立つNTT電波塔。何だか雲行きが怪しく…。


地蔵山のNTT電波塔
瞬く間に電波塔は雲にのまれて見えなくなる。


函館山地蔵山コース
完全に雲がかかって雨が降り始めた。急いで地蔵山コースを千畳敷に向かって走る。


千畳敷広場
千畳敷広場に着いた時には、かなり視界が悪くなり豪雨に。


千畳敷休憩所
急ぎ千畳敷広場にある休憩所へ避難。雷が鳴らないことを祈りつつ。


千畳敷休憩所
千畳敷休憩所で雨が小康状態になるまで雨宿り。降雨は激しいが、幸い雷雲ではないようだ。


千畳敷休憩所からの眺望
千畳敷休憩所より雲間に函館市街と函館湾を眺望。


千畳敷広場
雨が小康状態になり視界も晴れて休憩所を出発。写真左に見える建物が避難していた休憩所で、右が公衆トイレ。これらの施設が無かったらずぶ濡れの悲惨な状況に陥ったことだろう。本当に助かった。


千畳敷より地蔵山の電波塔を望む
千畳敷より地蔵山の電波塔を望む。


千畳敷砲台跡付近
千畳敷砲台跡付近。その名の通り平坦地が広がる。


千畳敷砲台跡
草むらの中に突然現れた異様な建造物。初めて目の当たりにする津軽要塞の遺構である。ここは千畳敷砲台の南端に設けられた戦斗(戦闘)司令所で、函館湾や津軽海峡を監視し、指揮官などが詰めて各砲台に指令を出す重要施設だった。


千畳敷砲台跡
千畳敷砲台戦斗司令所の掩蔽部入口。興味津々に中へ入ってみる。


千畳敷砲台跡
戦斗司令所内部。


千畳敷砲台跡
電話台が4連に並ぶ戦斗司令所電話室。観測所や砲台等との連絡用の電話が設置されていた。


千畳敷砲台跡
千畳敷砲台の遺構を左手に見ながら。写真は貯水池跡。


JR無線観測所
JR無線観測所方面へ移動。


千畳敷砲台跡
JR無線観測所付近に残存する千畳敷砲台第一砲台跡。円形に雑草が生えている部分が砲座。


千畳敷砲台跡
千畳敷砲台の北端、観測所へ続く通路。左側面に棲息掩蔽部。


千畳敷砲台跡
土に埋もれた状態の棲息掩蔽部。弾薬庫だった。


ヒキガエル
雨に誘われて大きなヒキガエルが現る。


<千畳敷砲台跡
階段を上って観測所へ。


千畳敷砲台跡
観測所跡。雑草の中にコンクリートの基礎が残る。


千畳敷砲台跡
弾廠入口。雑草に覆われて入口が確認しづらい。


函館山千畳敷コース
千畳敷砲台跡を後にし、濃霧で何も見えない牛の背見晴所を過ぎると、千畳敷コースは二又に分岐。右の道が八幡山・水元山の東側、左の道はその西側を進み、いずれも函館山展望台のある御殿山に至る。今回は西側ルートを進むことに。


函館山千畳敷コース
激しい雨で地盤が緩くなっているだろう。落石に注意しながら千畳敷コースを行く。


つつじ山
雨が降りしきる中、つつじ山の北側を囲繞する千畳敷コースを一気に進み、入江山コースとの分岐点に。写真左に見える斜面が”つつじ山”。


御殿山第二砲台跡
そして、御殿山第二砲台跡へ。


御殿山第二砲台古写真
現地解説板より。在りし日の御殿山第二砲台。


御殿山第二砲台跡
上の古写真と同アングルで撮影。砲座と周囲の壁が残存している。


御殿山第二砲台跡
御殿山第二砲台の南端、観測所へ続く階段。


御殿山第二砲台跡
観測所跡には休憩用に東屋が設けられていた。


御殿山第二砲台跡
観測所からの眺め。もちろん本日は何も見えません。


御殿山第二砲台跡
御殿山第二砲台掩蔽部。写真左手前から砲具・弾薬庫が5連に並び、最奥に士官詰所、通路最奥はトンネルになり出入口へ通じていた。現在は崩壊のおそれがあるのか、立入禁止。


御殿山第二砲台出跡
つつじ山駐車場に残る御殿山第二砲台出入口。ここからトンネルを潜り抜けて掩蔽部へ行けたはずだが、現在は藪に覆われて入るどころか、中の様子を伺うこともできない。北海道遺産に指定しているのだから、もう少し保存整備をやってほしい。


御殿山
つつじ山駐車場より函館山の最高峰、御殿山山頂を望む。かつては御殿山第一砲台が設置されていた場所だが、現在は函館山ロープウェイの山頂駅や展望台をはじめ、HBCとNHKの送信施設が建てられ、ここに軍事施設があったことなど微塵にも気付かせない状態。後で知ったことだが、多くの砲台遺構が隠れて残存しているらしい。


函館山ロープウェイ
雲の中からロープウェイのゴンドラが上ってきた。多くの観光客を乗せていたが、こんな日に夜景が望めるのか少々心配。


函館山展望台
展望台には早くも夜景を待つ観光客が。


函館夕景
雲の合間に函館市街を望むが、ちょっと時間が早い。


函館山展望台
記念撮影スポットにもぞくぞくと観光客がやってくる。


函館山展望台
少しずつ空は暗くなり、いい感じになってきた。


函館夜景
完全に空が暗くなって展望台に行ってみたら…、観光客でごった返す。頭越しに夜景を撮影するのがやっと。


函館山ロープウェイ
山頂駅からロープウェイで下山。ゴンドラ内は満員御礼。


函館山ロープウェイ山麓駅
山麓駅に到着。ここから歩いて十字街へ。


函館市電十字街停留所
十字街停留所から市電に乗車し、本日の宿泊先、湯の川へ。


撮影日:2014年8月4日(月)
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高札場
【川越街道 旅の報告】
2013年1月13日(日)
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