二川宿本陣と旅籠清明屋

二川宿本陣は江戸時代初期より長きに渡って後藤五左衛門家が務めてきた。しかし度々の火災に遭う等して後藤家は没落、寛政5年(1793年)紅林権左衛門家が本陣職を継ぐ。その紅林家も文化3年(1806年)火災に遭って本陣を維持できなくなり、馬場彦十郎家が本陣職を引き継いだ。これが今に本陣遺構を残す二川宿本陣である。本陣を務める前の馬場家は伊勢屋の屋号で酒造業や米屋を営む二川宿の有力商家で、本陣職を引き受けてからは増改築を繰り返し、江戸時代末期には建坪233坪半(約771㎡)もの建物を有するまでの規模を誇った。昭和60年(1985年)馬場家より本陣の土地建物が豊橋市に寄贈され、昭和63年(1988年)改修復原工事を開始し3年をかけて竣工。次いで平成12年(2000年)本陣東隣にあった旅籠清明屋の建物を倉橋家が豊橋市へ寄贈し、翌々年から解体復原工事が施されて平成17年(2005年)より本陣と共に内部を一般公開している。

豊橋市二川宿本陣資料館
http://www.futagawa-honjin.jp/



二川宿本陣資料館 復元高札
二川宿本陣資料館入口前に設置される復元高札。往時の高札場は二川宿と大岩加宿の境、西の枡形に設置されていた。


馬場家の大甕
資料館敷地に置かれる二川宿本陣馬場家の大甕。明治時代以降に味噌醤油の醸造業を営んでいた馬場家が使用していたものだが、どういう用途に使われていたか不明だという。


二川宿本陣 通り庭
主屋を貫く通り庭(土間)。大名行列の馬や荷物は大戸口を入ってここを通り、奥の馬屋や土蔵へ運び込まれた。


二川宿本陣 竈
通り庭に置かれる竈。


二川宿本陣 主屋勝手
通り庭を挟んで左手は勝手座敷。

二川宿本陣 主屋座敷
主屋座敷に飾り付けられる雛人形。主屋は馬場家の方々や使用人が居住した場所である。


二川宿本陣 主屋庭
主屋裏手にある庭。


二川宿本陣 板の間
街道に面する板の間には雛人形と吊るし雛、綺麗に色彩を施した貝合わせを展示。


二川宿本陣 吊るし雛
吊るし雛が何層にも垂れ下がる様は圧巻。


二川宿本陣 玄関
本陣正面入口の玄関。左の障子を開ければ式台が設けらており、大名等はそこで籠から降りて本陣に入った。


二川宿本陣 玄関棟
玄関棟座敷にはひな壇が並ぶ。


二川宿本陣 玄関棟
玄関棟座敷に飾り付けられた雛人形。


二川宿本陣 書院棟
紙で作られた力作揃いの雛人形たち。


二川宿本陣 上湯殿
書院棟上段の間の裏手にある上湯殿。上段の間に宿泊する賓客用の風呂場である。


二川宿本陣 雪隠
雪隠(せっちん)。今で言うトイレ。


二川宿本陣 雪隠
ここも雪隠、大用。


二川宿本陣 上段の間
本陣最奥にある上段の間。


二川宿本陣 上段の間
上段の間は大名等の宿泊や休憩に使われた部屋。他の部屋より1段高くなっている。


二川宿本陣門
大名等の賓客が出入りした本陣門。


二川宿本陣 玄関式台
本陣門から延びる石畳の先には玄関式台。

本陣見学を終えて次は東隣の旅籠清明屋へ。

旅籠清明屋入口
清明屋は寛政年間(1789年~1801年)頃に旅籠屋として開業、家主は代々八郎兵衛を名乗った。明治期以降は呉服太物や小間物、雑貨を商い、廃業する直前まで清明屋の屋号で薬局を営んでいた。平成12年(2000年)倉橋家が建物を豊橋市へ寄贈、解体修理により旅籠屋時代の建物に復原、現在は本陣と共に一般公開されている。今に残る主屋は文化14年(1817年)の建築。


旅籠清明屋 店の間
店の間では先客が旅で疲れた足を洗う。


旅籠清明屋 台所
店の間の奥にある台所。主に食事の準備や配膳に使われたらしい。


旅籠清明屋 通り土間(ウチニワ)
台所横の通り土間(ウチニワ)、竈が設けられ食事がここで作られた。


旅籠清明屋 井戸
通り土間裏口の外に井戸がある。調理用水や飲料水、生活用水をここで汲んだのだろう。


旅籠清明屋 繋ぎの間・繋ぎ次の間・奥の間
客の宿泊部屋に使われた繋ぎの間・繋ぎ次の間・奥の間。


旅籠清明屋 奥座敷
主屋最奥部、床の間と入側を付する奥座敷。他の部屋より一段高くなっている。上客の宿泊部屋に用いられた。


旅籠清明屋 奥次の間
主屋最奥部、奥座敷に併設する奥次の間。こちらも上客の宿泊に使われた。


旅籠屋の食事
奥次の間には旅籠屋の食事を模型再現し展示。旅籠屋では夕・朝食付き、食事は一汁二菜(味噌汁と煮物・魚)か、もう一品付いて三菜が標準だった。


旅籠清明屋 裏庭
主屋最奥面、裏庭を設ける。


旅籠清明屋 裏庭
裏庭より奥座敷・奥次の間を望む。


旅籠清明屋 裏座敷
清明屋敷地最奥部の離れ、裏座敷。使用人などが居住していたと思われる。


二川宿本陣資料館
旅籠清明屋の見学を終えて二川宿本陣資料館へ。


二川宿問屋場模型
二川宿の模型がリアルで目がくぎ付けに。写真は問屋場を再現したもの。

本陣をはじめ旅籠・商家の建物が現存し、今に江戸時代の宿場町を体感できる貴重な二川宿。資料館もあって街道史を学ぶにはもってこいの場所である。


撮影日:2016年2月19日(金)
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